カメラ徒然話

私の幼少期から家にはレントゲンがあり現像の為の暗室がありました。
わたしの父親は昔から白黒写真を撮っていました。
当時カラー写真になる前の時代でしたが、白黒写真は自宅で父が現像・プリントしていました。
カラー写真ができ一眼レフカメラが普及し始めた頃、ついに1眼レフを買うことになりました。
当時ヨドバシカメラの黄色の新聞の折り込み広告(今でも覚えている)があり、
亡くなった兄が新宿のヨドバシカメラ(確か今の都庁の近く)に買いに行きました。
ニコンの一眼レフは格好良くニコンを買うとばかり思っていた私ですが、
兄が買ってきたのはミノルタのSRT101でした。(当時もミノルタは3位を争うメーカーでした)
兄に「何でニコンにしなかったの」と聞いたら兄は「こちらの方がいいんだ」と返事をしました。
実際SRT101を使ってみたところ確かに良く出来ていることがわかりました。
ミノルタのカメラは当時のニコン、キヤノンに比べ測光が先進的でした。
レンズも早くからマルチコーティングを採用し色が綺麗でした。
(昔のニコン、キヤノンは色そっちのけで解像度で優劣を競っていました)
いかんせんPRが下手なのか知名度、販売ともニコン、キヤノンの後塵を拝していました。
この世代から後のミノルタのマニュアルフォーカス1眼レフカメラも数台家にあります。
時代は進み1眼レフカメラは自動露出になりました。
ニコンは絞り優先式、キヤノンはシャッター優先式を選び
どちらが優秀かといって写真雑誌で特集している頃、ミノルタは絞り優先とシャッター優先の
両方とも出来ました。それでもカメラ業界ではニコン、キヤノンが1位争いを続けていました。
そのうちコンパクトカメラはオートフォーカスになり
私が医学部高学年になった時にαがでてきました。オートフォーカス1眼レフα7000の登場です。
それまでの一眼レフカメラでは露出は自動化されたものの
ピント合わせは自分でしなければなりませんでした(オートフォーカスではありませんでした)が、
α7000で初めて本格的なレンズ交換式一眼レフでオートフォーカスが出来るようになりました。
しかしオートフォーカスの特許侵害の裁判で大負けして会社が傾いたのは不運でした。
オートフォーカスのフィルムカメラのαは、父と私の両方で買っていたから結局10台あります。
最後のフィルム機であるα7は普段使いしていましたが最後の最後にもう1台買い足して2台あります。
デジタル1眼レフの時代になって初めて手振れ補正を本体に内蔵したのもミノルタです。
(コニカと合併していたから正式にはコニカミノルタ)
このように新しい流れを常に先取りしてきたミノルタですが、販売ではずっと弱かったです。
結果、カメラ業界から撤退を余儀なくされその資産(アルファ)を継いだのがソニーです。
ミノルタは日本で数少ないレンズ生産からの全工程を1社で行う会社だったんですけどね。

ここで1眼レフ、1眼カメラの区別をしておきましょう。
1眼レフカメラ=1眼レフレックスカメラの略称です。レンズを通って外から入って来た光を
本体の上面にあるペンタプリズム(五角形七面体のプリズム)を用いて反射(レフレックス)させ
直接見る方式
デジタル1眼レフカメラ=フィルムの代わりに撮像素子(現在はC-MOS)を置いたもの
デジタル1眼カメラ=デジタル1眼レフレックスカメラからペンタプリズムを外したレンズ交換式カメラ
レンズから入ってきた光を直接撮像素子にあて画像を取り込み、
画像情報を本体上面の液晶ファインダーに写す。
どう違ってくると思いますか?
1眼レフカメラは電源を入れなくても画像は見られます。
1眼カメラは電源を入れカメラが画像情報をとりこんで初めてファインダー画像を見る事ができます。
1眼カメラ方が電池の消耗は早いです。
1眼カメラでは従来の1眼レフカメラのオートフォーカス方式が使えません。
その為、参入当初のニコンキヤノンのオートフォーカスの性能はあまり良くなかった。
1眼レフカメラで必要だったミラーボックスが不要となる為、
撮像素子とレンズ最後端との距離が短くできるかわりに撮像素子にゴミが付きやすくなった。
以上がデメリットですが、メリットもあります。
1眼レフカメラで必要だったミラーボックスが不要となる為、
撮像素子とレンズの最後端との距離が短くすることができレンズ設計の自由度が増す。
それによって小型、より明るいレンズが作りやすくなります。
カメラ本体が軽く小さくなります。
今回CP+で色々な機種を見て回った時、まず見た目(形)で注目したのがニコンのDfcです。
大昔のあこがれだったニコン機(ニコンF、ニコンF2、ニコマート)とよく似た外観です。
最初は見た目でやられてしまったというのが正直なところです。
持ってみて軽く、動作も軽快でした。オートフォーカスも良好です。
昔からミノルタ大好きであることは変わりませんが憧れは別です。
お金の都合が付いたら今年中に買うでしょう。

ついでに撮像素子にゴミが付くこと(ダスト問題)を話しておきましょう。
もともとフィルムの1眼レフでは次々フィルムを巻くのでダスト問題は起きませんでした。
しかし1眼レフ、1眼カメラとも撮像素子はそのままです。レンズ交換の際などにゴミが入り
それが撮像素子に付けば画像に薄い影が映ります。薄い影は条件によって写らないことも有ります。
厚みがあるゴミが着くと真っ黒な影が映ります。これは常時写ります。
1眼レフ、1眼カメラとも長期に使用する際には避けられない現象です。
また、時としてその1眼レフ、1眼カメラの内部機構からゴミが発生することがあります。
私の持っているデジタル1眼のうち1台がどうも自前のゴミが出るようで、
レンズ交換をしなくても厚めのゴミがついて画像が台無しになっています。
その機種は以前もゴミをとってもらったのですが又ゴミが付き最も使用頻度が低くなっています。
今回CP+にその機種を持ち込んだのですけどセンサークリーニングを断られました。

1眼レフ、1眼カメラは撮影スタイルを変えました。
ファインダーを覗いたらまず1枚というとり方です。
フィルムは代金がかかりますがデジタルはそうではありません。
電池を少し消耗しメモリーの領域を少し使いますが
フィルムに比べれば殆どお金がかかっていないようなもので、気にいらなければすぐ消せます。
景色はどんどん変わることがあるので構図や明るさを決める前に
その画像が撮れなくなってしまうことがあります。
だからまず1枚なんです。
1枚撮っておいて改めて構図なり明るさなりを考え露出を少し変え3枚撮るような撮り方になります。

世の中(メーカー)は1眼レフをやめて1眼カメラに移行しようとしています。
でもカメラに趣味性を求めたらどうですか。
1眼レフカメラでペンタプリズムを通し実際の景色を見て撮るのと、
1眼カメラが作り出す液晶画面を見るのとどっちが楽しいと思いますか。
1眼レフカメラの方が楽しいに決まっています。
写真を趣味とするのでこれからも1眼レフを長く使いたいと思います。

前回の替え歌の答え合わせ:イルカさんのなごり雪です。
今回はカメラの徒然話なので替え歌は休みです。